寄席を観に行ってみる

いつもと違う世界を覗いてみる

知らない世界にちょっとだけ触れてみたい日に、
寄席をのぞいてみませんか。

寄席ってどんなところ?

寄席って落語とかの古典芸能的なイメージで難しそうだし敷居が高い…。そんな風に考えている方に。寄席は落語だけでなく漫才、講談などが日替わりで楽しめる“笑いの劇場”です。古典芸能というよりも、どちらかと言えば「気軽によれるライブ会場」に近い雰囲気。ジャグリングやマジックなどの演目もありますよ。

  • 一日を通して複数の芸人さんが登場し、入れ替え制ではなく出入り自由
  • 途中入場・途中退場可能なので、ふらっと気軽に寄っても、一日中いてもOK
  • 観客の年齢層も幅広く、一人でも行きやすい
  • 料金は2,000円前後から。前売りや予約不要の場所も多い
    →初めてでも構えずに入れる、“大人の遊び場”のような場所です。

初めてでも楽しめる理由

漫才やマジックはその場で楽しめそうだけど、肝心の落語は予備知識がないと難しそう…と感じるかもしれません。でも実際の寄席では、昔話のような親しみやすい話や、日常のちょっとした笑いが多め。登場人物の会話を一人で演じ分ける姿に、思わず引き込まれます。

  • どの話も短く、一話完結でテンポがいい
  • 現代ネタやアドリブも多く、初めてでもクスっと笑える
  • 出演者ごとに話し方のクセやリズムが違うのも楽しみのひとつ
  • 会場の空気が温かく、観客同士の笑い声が自然と伝染する

知識よりも“その場の空気”を味わう場所。噺家さんはプロなので、知識がなくともしっかり笑わせてくれます。笑いながら、気づけば心がゆるむ―――それが寄席の魅力です。

都内のおすすめ寄席4選

東京には「定席」と呼ばれる常設の寄席が4か所あります。毎日落語や漫才などの演芸が楽しめる場所で、それぞれに個性があります。どこもアクセスがよく、初心者でも入りやすい雰囲気。まずはこの4つの寄席から、自分に合いそうな場所を探してみるのが良いかもしれません。

🏮新宿末廣亭(新宿区)

<アクセス>
東京メトロ・都営新宿線「新宿三丁目駅」より徒歩数分

・入場料:一般 3,500円
・公演時間(通常興行):昼の部 12:00~16:15
            夜の部 16:45~20:30
            (入場終了19:15)
※基本昼夜入れ替えなし
・休業日:12月30日、31日

👉公式サイトはこちら

「畳の桟敷席」があるなど伝統的な雰囲気を感じられます。初心者にも行きやすい立地で、新宿三丁目の繁華街にありながら、昭和の香りが残る老舗の寄席です。

🏮浅草演芸ホール(台東区 浅草)

<アクセス>
東京メトロ銀座線・都営浅草線「浅草駅」より徒歩10分
つくばエクスプレス「浅草駅」より徒歩30秒

・入場料:大人 3,500円
・公演時間(通常興行):昼の部 11:40~16:30
            夜の部 16:40~21:00
※昼夜入れ替え制ではありませんが、再入場は不可。

👉公式サイトはこちら

公式HPが充実しており、初心者向けの案内ページなどもあるので、初心者の方にぴったりです。公演時間が長いので一日中「お笑い」に浸りたい方にもおすすめ。お得な夜割もあるので、HPを確認してみてください。

🏮鈴本演芸場(台東区 上野)

<アクセス>
・JR各線「上野駅」より徒歩10分
・JR山手線・京浜東北線「御徒町駅」より徒歩5分
・東京メトロ銀座線「上野広小路駅」より徒歩1分
・東京メトロ千代田線「湯島駅」より徒歩8分
・東京メトロ日比谷線「仲御徒町駅」より徒歩10分
・都営大江戸線「上野御徒町駅」より徒歩5分

・入場料:大人 3,500円
・公演時間(通常興行):昼の部 12:30~16:00
            夜の部 17:00~20:15
※昼夜入れ替え制
・休館日:12月29日から31日、その他不定期

👉公式サイトはこちら

本日ご紹介する中でこの鈴本演芸場だけが完全昼夜入れ替え制です。鈴本演芸場の座席は新幹線のように座席の椅子の背もたれに小テーブルが取り付けてあるため、飲食がしやすいのが魅力です。ゆっくり食べて、飲んで、寄席演芸を楽しむことができます。

🏮池袋演芸場(豊島区 池袋)

<アクセス>
JR各線・東京メトロ各線・西武池袋線・東武東上線「池袋駅」西口より徒歩約3分

■毎月1~20日
・入場料:一般 3,000円
・公演時間(通常興行):昼の部 12:30~16:30
            夜の部 17:00~20:30
※特別興行を除き昼夜入れ替えなし

■毎月21~30日
・入場料:昼の部 一般 2,800円
     夜の部 日毎に料金が変わる
・公演時間:昼の部 14:00~17:15
      夜の部 18:00~20:30
※昼夜入れ替え制
・休館日:12月29日から31日

👉公式サイトはこちら

池袋演芸場では21~30日の夜の部は毎日、日替りの特別興行になっており出演者が違います。座席数が少なめなため演者と観客との距離が近く、“間”や“空気”を肌で感じられるため、寄席の醍醐味を体験しやすいところが魅力です。

初めて寄席に行く方のための基礎知識

寄席は思っているよりずっと気軽な場所。とはいえ初めて行く方は勝手が分からず不安な気持ちもあるかと思います。ここでは知っておくと安心な基礎知識をご紹介します。

  • チケットは予約不要・当日販売のみが基本
    通常興行の場合は基本的に当日券を入口で購入すればOKです。
  • 全席自由席
    基本的に全席自由席です。早めに行けば前方の席、途中入場なら後方や通路側へ座るのが一般的です。
  • 入退場は自由
    このページ内で何度か触れていますが、入退場は自由です。途中からでも出入りOKですが、高座の切れ場(演芸と演芸の間)で出入りするのがマナーです。
  • 飲食OKの会場も多い
    お弁当を持ち込んだり、売店で買ったりして座席で楽しむ人も多くいます。注意してほしいのは、アルコールは制限がある場合があるということ。飲酒可能な寄席は浅草演芸ホールと鈴本演芸場の2か所です。鈴本演芸場は持ち込み自由ですが、浅草演芸ホールはアルコール類のみ持ち込み不可で、お酒を飲むには館内売店で購入する必要があります(アルコール類以外の持ち込みはOKです)。
  • 公演中の撮影や録音はNG
    生の空気を味わう時間として楽しみましょう。

寄席は“観る”というよりも“居る”感覚で楽しむ場所です。その緩やかさが、いつもと違う世界をのぞく心地よさにつながります。

知っておくと楽しい寄席用語

寄席に興味が出てきた方に。寄席では独特の言い回しや呼び方がいくつかあります。知らなくとも楽しめますが、少しだけ知っておくと、プログラムやアナウンスがぐっと分かりやすくなります。

  • 上席(かみせき)・中席(なかせき)・下席(しもせき)
    基本的に寄席は十日毎に出演者を替えて興行していることが多く、 月の1日~10日を上席(かみせき)、11日~20日を中席(なかせき)、21日~30日を 下席(しもせき) と呼んでいます。31日には通常興行とは異なる特別興行が企画されることが多いです。
  • 高座(こうざ)
    落語家さんや芸人さんが話すステージのこと。舞台そのものを指します。
  • 出囃子(でばやし)
    出演者が登場するときに流れる音楽。芸人さんごとに曲が違い、個性のひとつです。
  • 前座・二つ目・真打(しんうち)
    落語家の階級のことです。前座→二つ目→真打の順で上がっていきます。真打は寄席のトリを務められる立場です。
  • マクラ
    本題(落語)に入る前の雑談パートです。時事ネタや小話が多く、ここがアドリブの宝庫です。

まとめ

どの寄席も駅から近く、予約なしでふらっと入れる気軽さがあります。週末や仕事帰りに、ちょっと違う空気を感じたいとき。笑いのある温かい空間で、心をリセットしてみるのも良いかもしれません。

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